技術者ブログとして日ごろ取り組んでいる学習内容をご紹介します。
インフラをテーマにしている第3ユニットです。
今回は、Oracle Databaseのアップグレードについて
あるシステムの全面的な更新の一環として、Oracle Databaseのアップグレードを担当しました。具体的には、古くなった12cのデータベースからメタデータ(表を始めとした、DB上のオブジェクトの定義)と行データ(各表で登録されている項目)をエクスポートして、同じ状態の19cのデータベースを作成することになりました。
開発環境が用意されていたため、新しいDBの構築は複数回リハーサルできましたが、12cのDBからのエクスポートは、DBに余計な影響を与えないために、回数を抑えることにしました。
そのため、一回エクスポートしたら、何回も使えるDMPファイルを出力するOracle Data Pump(データポンプ)というツールを使いました。
作業の流れ
各ステップを個別の監視できるために、アップグレードを以下のような流れで行いました。
- データポンプで12cのDBからメタデータと行データをエクスポート
- 12cの設定を確認しながら、同じ設定の19cの空っぽのDBを作成
- 19cのDBにエクスポートしたメタデータと行データをインポート
- 19cのDBの全体的な確認
上記の流れで、アップグレードできましたが、リハーサルの中で幾つかの問題に遭遇して、解決・回避の方法を調査することになりました。その問題を一つ、以下に紹介したいと思います。
シークエンス問題とその回避
データベースに登録される行の自動採番を使う表がある場合、そのシークエンス(順序)の状態(次に割り振られる番号)をそのまま継続する必要があります。そうしないと、データベースが同じ番号を再び割り振ろうとして、エラーが生じる恐れがあります。
自動採番を使う表の存在を、SQL Developerなどで確認できます。表作成のSQLを参照すると、「GENERATED ALWAYS/ BY DEFAULT AS IDENTITY」という定義が見られます。
新しいDBへインポートする際に、メタデータと行データを同時にインポートすると、シークエンスが自動的に継続されますが、メタデータと行データを別々にインポートすれば、シークエンスが「1」からリスタートされて、手動で調整しなければならなくなります。
そのために、メタデータと行データの同時インポートをお勧めします。
次回の技術者ブログもお楽しみに。